報酬加算・補助金制度
ICT導入に関する報酬加算と補助金制度
介護現場の現状を大きく変えるためには、ICTの導入が欠かせません。2018年度に実施された介護報酬改定により、ICTを導入した介護業務に報酬加算ができるようになりました。これにより、訪問介護やリハビリテーション会議への医師の参加が遠隔地からでも可能になりました。
訪問介護では、介護職が動画を通して利用者の状況を把握し、助言を行うことで「生活機能向上連携加算(I)」という加算が算定されます。リハビリテーション会議に医師が参加した場合は、「リハビリテーションマネジメント加算(II)」が算定されます。ICTの導入によって利用者の情報確認やコール対応が可能ならば、定期巡回や随時対応型訪問介護、夜間対応型訪問介護においてオペレータと事業所職員を兼任することも可能になっています。2018年度の介護報酬改定で、排せつ支援加算が新たに設置されました。排せつ介護を必要とする原因を分析し、その結果に応じた支援計画に基づいた排せつ介護をした場合に加算が算定されます。介護ロボットほかICT関連の機器類も対象となるため、情報分析にICTを導入することで介護の質の底上げにつながると期待されています。
IT導入補助金を活用する
IT系のツールを事業に導入する中小企業や小規模事業者は、生産性向上を目的とした経費の一部を支援する「IT導入補助金」を利用できます。IT導入補助金の対象となっているのは、パッケージソフト本体の費用およびインストール費用、ミドルウェアのインストール費用、クラウドサービスの導入および初期費用、クラウドサービスの契約書に記載されている運用開始日から1年分のサービス利用料、ライセンス、アカウント料、契約書記載の運用開始日から1年間のWebサーバー利用料ほか、数多くの対象項目があります。
IT導入補助金に関する詳しい情報は、IT導入補助金の公式サイトから確認できます。
地域医療総合確保基金(介護分)
地域医療総合確保基金(介護分)とは、介護施設や介護従事者の確保を支援するために作られた基金です。この基金が作られた背景には、団塊の世代が75歳以上となる2025年以降の「効率的かつ質の高い医療提供体制の構築」と「地域包括ケアシステムの構築」という2つの大きな目的があります。介護施設における人材確保のための具体的な支援策の中には、介護ロボットの導入を支援する事業も含められています。自治体によって支援の内容は異なりますが、多くの自治体が上限10万円で1つの機器につき経費の半分を補助しています。
地域医療総合確保基金に関する資料は、厚生労働省のサイトからダウンロードできます。